なか     だい そん
       

 むかし、小妻天満宮の近くに真言宗の「地蔵院」というお寺がありました。そのお寺が、水戸のお殿様の寺つぶしにあい、焼かれることになったのです。
 この時、寺の宝である五大尊さまの掛け軸が飛んで来て、石井家(通称田中)の庭先にある樫の大木にぶら下がったのでした。
石井家では、五大尊さまが難を逃れて飛んで来たのだと信じ、樫の木から取りはずし家宝として大切こお祀りをしてきました。
 その後、この話が広まり、かかさず毎年ー回組内の人たちが集まり、五大尊講をするようになりました。
 ところがあるとき、講の途中で信者が誤って灯明を倒し、軸の半分を焼いてしまいました。
 火災を逃れて来た五大尊さまが火災にあってしまったとは、何とも気の毒なことだなと語りあいました。

    *五大尊さま 五大明王の別称。
     中央に不動明王、東、西、南、北にそれぞれの明王を配した、魔(難)除けの仏様。