し ん め ん め

 小妻の鎮守天満宮は、通称「天神様」といわれ、その森はうっそうとしていました。
 むかし、その参道近くに、冷たい湧き水があって、稲などは冷え立ちでほとんど収穫がでさませんでした。
 このため、殿様からは年貢を免除されていましたが、それでも農民たちは、何とかして少しでも米が取れるようにと知恵をめぐらし努力を重ねました。
 村人たちは水の湧き出るところを堰き止め、池をつくり、堀をめぐらして水がぬるんでから田んぼに引くなどの苦労を重ねた末、どうにか稲の収穫が見込めるようになりました。
 それからは、この溜池付近の田んぼにも新たに年貢がかせられるようになり、新免田とよはれるようになりました。
 また、この溜池は、新免前の溜池となり、次第に「しんめんめ」といえばこの池のことを言うようになりました。
 今は圃場整備によってこの新免前の溜池も消滅してしまい、地名も新見前となっています。

    *冷え立ち 穂に実が入らず穂首を下げない状態をいう。