おお いし さい もん
大 石 祭 文

 むかし、大石から高星姓の人で「祭文語り」の名人が出ました。この人は幼少のころより音曲に優れ、若い時に芸で身を立てる決心をして上京し、修業を重ねました。その結果、ついに我が国、祭文語りの二人の名人の一人、と評されるほどになりました。
 明治天皇の御前講演も申し上けたそうてす。
 講演会場へは、常に四人引きの人力車に乗り、芸者のお供つきて現われました長髪を肩からたらし、紋付羽織袴のさっそうたる姿で、錫をならしながら山中鹿之介や忠臣蔵を語るのが十八番で、聴衆を魅了したそうです。

    *祭文(斎文)は浪曲出現以前に広く人気を博した芸能のひとつです。