えん めい  じ  ぞう
延 命 地 蔵 さ ま

 むかし、高萩の中戸川というところに、おじいさんとおばあさんが仲良く住んでおりました。
 ある晩のこと、二人が床についてしばらくすると、お地蔵さまが枕元に立ってなにやらお告げされているではありませんか。
「わたしは地蔵菩薩です。わけあって大中村の愛宕神社の山道前の畑の中に私の石像が埋まっているので、早く掘り起こしてくれませんか」
 人の良い老夫婦はこたえました。「それでは、明日にでもすぐ大中村に出かけますが、どのように堀り起こせばよいのてすか」とたずねると、お地蔵さまは答えました。
「たいへんだろうが、七日七晩護摩を焚きながら掘って下さい。頼みますよ」と言われ、枕元から消えてしまいました。
 次の日、半信半疑のまま、老夫婦は大中の愛宕神社山道前の畑へ行って、七日七晩護摩を焚きながら掘りました。七日目の晩のこと「カチン」と鍬の先に手応えがあったので、疲れもわすれて急いで掘り上げてみると、まぎれもなく枕元にたたれたお地蔵さまだったのです。
 おじいさんとおばあさんは、夢のお告げはやはり本当だったと大喜びし、小さな祠をたてて祀りました。
 おじいさんとおばあさんは目の病に苦しん、ていたのてすが、それ以来回復に向かったそうです。 その話はあっという間に広がり、目の病には特にご利益があるといわれ「大中の延命地蔵さま」としてたいへん信仰され、お参りをする人々がしばらく後をたたなかったということです。
 お地蔵さまは、今も地元の人たちに厚い信仰を受けながら、静かに人々を救済されているのです。